行の概要(Row summary) モデル駆動型アプリのCopilotご紹介その③

はじめに

モデル駆動型アプリやキャンバスアプリに色々なCopilotがいるので、概要や活用イメージなど紹介していくシリーズです。
その③では「行の概要(Row summary)」をご紹介します。フォーム上部にプロンプトで作成したレコードの概要を生成して表示する機能です。
レコードのポイントとなる部分をパッと確認し、Copyで共有などに活用できます。

この記事投稿時点では環境の既定の言語が「英語」でないと表示されない機能ですが、そのうちに日本にも上陸してくるはずです。

NOTE2025/5月上旬時点での情報となります。今後アップデートされていきますので、ご確認された際に古い情報となっていた場合はご了承ください(プレビューからGAや英語のみから日本語対応、ライセンスなど)
適宜チェックはして更新はしようと思いますのでご容赦ください。

Power AppsのCopilot 一覧資料

2025/4/30にコミュニティ「なんでもCopilot」に登壇した際の資料をドクセルへアップしております。
こちらではPower AppsのCopilotを一覧にまとめてそれぞれ概要などを記載しております。

また以下ページでもブラウザ版の一覧として記事にしていますのでご参考ください。

公式のDocs記載部分は以下です
モデル駆動型アプリのメイン フォームの行の概要を構成する – Power Apps | Microsoft Learn

環境の設定について

前途したとおり、現時点では既定の言語が英語の環境のみ使える機能となっています。
また、環境の設定>機能の画面でこの機能がオンとなっている必要があります。
以下の「AIインサイト カード」が該当します。

機能設定の管理 – Power Platform | Microsoft Learn

行の概要(Row summary)

行の概要はモデル駆動型アプリのフォーム上部にプロンプトで生成したそのレコードの概要などを表示する機能です。
あらかじめ列の値や計算結果などを生成するプロンプトを定義すればフォーム上部でその情報をパッと確認が出来ます。またCopyボタンで情報を共有するのにも役立ちます。

NOTE記事投稿時点では環境の既定言語が英語の場合のみ表示される機能となります

※英語環境に日本語データを入れているアプリでの例です
以下のプロンプトではレコードの概要として表示項目や経過日を計算して出力するように指示しています。
また日本語で出力するように定義しています。

フォームでレコードを表示した際に生成され、プルダウンで開く、閉じるの操作が出来ます。

表示後は一時保持される。リフレッシュで再実行

生成した行の概要は再度開いた際にも保持されています。
最新化したい場合はリフレッシュアイコンをクリックすることで再実行が可能です。

Copyボタンでコピーして情報共有

Copyボタンをクリックでクリップボードへコピーされるので、Teamsなどに貼り付けて共有が可能です。
以下は概要をコピーしたものとレコードのURLをリンクとして貼り付けた例です。

作成手順(テーブル設定からRow summary)

行の概要の作成手順について説明します。

テーブルの設定画面を開くとCustomizationsのセクションに「Row summary(applied)」という項目が表示されます。
★既定の言語が英語環境、かつブラウザが英語表示でないと表示されません(記事投稿時点)

以下のようにプロンプトビルダー(AI Builder同様の)が開きます。
左がプロンプト入力エリアで右が結果表示エリアとなります。最上部は説明書きとなっています(以下は翻訳した内容)
プロンプト入力エリアに任意の内容で指示を書きます。

/で項目指定が可能

/を入力することでレコードIDとテーブルの列の候補が出てきますので、スムーズに指定が可能です。

項目値での計算などの定義も

以下のように経過日として列項目を使った日付計算なども出来ました。

日本語で表示するように指示

現状は英語環境のみの対応のため通常英語で表示されますが、以下のように日本語で出力するように指示すれば日本語で表示されます。

TIPSシンプルな内容で検証したサンプルとなりますのでもう少し複雑な指示も可能かもしれませんが、そのあたりはお試しいただければと思います。

テストで結果を確認する。調整も可(テキストまたはJSON)

上部のテストアイコンをクリックすると右側の結果エリアに生成された結果が表示されます。
プルダウンでテキストとJSONを切り替えれます(フォーム上に表示するため通常テキストが良いと思われる)

モデルの変更も可能(現時点ではGPT-4o miniが既定)

確認したところ、モデルも変更が可能でした。
記事投稿時点では既定がGPT-4o mini で、その他、GTP-4oとo1が選択できるようでした。

TIPS→通常はminiで十分かと思いますし速度も一番早かったです。より複雑な計算などを含む場合は別のモデルが有効なケースもあるかもしれません。

プロンプトを保存

上記でテストしてOKであれば右下の「Apply to main forms」をクリックします。

フォームへの適用・解除

上記で行の概要を作成すると、テーブルのメインフォーム(すべて)に対して有効になります。
有効な場合は以下のようにアイコンが表示されます。

NOTEメインフォームに対してのみ有効です。また、メインフォーム全体で有効、無効を切り替える挙動となります。

無効化するにはRow summaryのプルダウンから「Hide on all main forms」をクリックですべてのメインフォームから除外されます。「Show on all main forms」をクリックですべてのメインフォームで有効となります。
また、「Edit summary」からプロンプトの編集画面へ遷移出来ます(テーブルのRow summary同様)

上記までの設定でフォーム上に行の概要が表示されるようになります。

おわりに

今回はモデル駆動型アプリで使うCopilotとして、行の概要(Row summary)をご紹介しました。
プロンプトを定義してフォーム上部に概要やポイントなどを生成でき、パット確認、共有が出来るのは便利ですね!
今回はシンプルな内容のサンプルでしたが、プロンプトを工夫してもう少し複雑な内容も対応できると思われます。

この他にもモデル駆動型アプリで使うCopilotは多数ありますので次々ご紹介していく予定です。
それでは!

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ヨウセイ

ヨウセイ

一般職からSharePoint、C#、.NET系技術者へ、そこからPower App、Power Automate技術者へと転身。 ワンランク上のおっさんはPower Appsでシステム開発が出来る〜! qiitaや自社HPでも技術ブログを書いていました。

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