はじめに
Microsoft Formsは最近のアップデートでUIや機能もリッチになったりしています。
あわせて日本環境で2024/9月末ごろから、回答の同期ファイルの仕様が新しく変更されています。
また、2025/1/13までに新しい同期ファイルに変更しないと従来のファイルには同期されなくなるという点もあります。
このあたりの影響について参考リンクや対応方法など記事にいたします。
Microsoft Forms がアップデートされ同期の仕組みが変更となった
公式のBlog記事は以下です。こちらに新しいFormsの同期の仕組みや切替えの手順など記載があります。
フォームの応答を Excel に同期するための新しいソリューションに更新する – Microsoft コミュニティ ハブ
詳細はリンクをご確認いただくのがよいかと思いますがトピックとしては以下となります。
このうち、手動で開かないと同期しない点がPower AutomateやBIなどでファイルを参照している際に影響があります。
TIPS少し前まで2024/10/20までに古い同期の仕組みが停止するとありましたが、10/15時点で確認したら、2025/1/13までと変更されているようでした。
良い点:
- 新しいファイル同期の仕組みとなり、従来出来なかったクイズなども個人の場合はOneDrive、グループの場合はSPO上にファイル同期されるようになった
- 信頼性、パフォーマンスが向上した(と記載あり)
困った点:
- 手動でファイルを開いた際に同期が開始されるようになった(回答の自動反映がされない!)
- 古い同期ファイルには2025/1/13には同期されなくなる(新しい同期ファイルに変更が必要!)
- 新しい同期ファイルは従来のファイルと内部テーブル名や構成が一部異なる
その他:
- 同期ファイルはExcel for the webのみ(現時点では。デスクトップアプリにも今後適用の予定あり)
- 新しい同期ファイルへの変更はファイル上やForms上で切り替えが出来るようになるとあり
(10/16現時点では記事にある新しいファイル切替え表示は見当たらず。そのうち反映されると思われる)
従来のFormsの同期ファイル作成と新しい同期ファイル作成のUIの違い
以下のように従来版と新しいFormsの回答ファイル作成ではUIから変わっていました。
従来版
新しいForms版
Excelで結果を開くとなっています。作成すると新しい同期の仕組みでファイルが作成されます。
(個人用のものはOneDrive直下、グループだとSPOライブラリ直下に作成されます)
新しいFormsの同期ファイルでは手動で開かないと同期が開始されない
上記で影響の大きい点として挙げていますが、新しいFormsの同期の仕組みはファイルを手動で開いた際に同期が開始される挙動となっています。
従来は数秒すれば回答がファイルへ自動反映されていたのですがこの点が変更となっています。以下FAQの抜粋です。
従来のファイルと新しいファイルの同期の違い
あらためて従来版と新しいForms版の同期の違いです。
従来版は数秒経てば自動で同期してくれますが、新しいForms版では開いた際に初めて同期が開始します。
→すでに日本環境では9月末ごろに作成したFormsの同期ファイルは新しい仕様となっています。
従来版
新しいForms版
↓
Power Automateでファイル参照している場合は対応が必要
同期ファイルの利用方法として、Formsの回答直接ではなくPower Automate(クラウドフロー)でファイル更新時トリガーを使っている場合や、BIでファイルのデータを参照している場合など、ファイルの更新がある前提の仕組みを実装している場合は新しい仕組みでは手動で開かないと同期が始まらないのでこの方法が取れないという事になります。
(開かないと同期およびファイル更新がされない→更新時トリガーが動作しないし参照しても最新情報が取れない)
そのため上記のFAQでもそういった場合はFormsの回答時トリガーで構築し直すことが推奨されています。
この点は上記の記事のコメントでも物議を醸し出してますが、現状はこの仕様となる方針のようですね。
通常はForms回答時トリガーで回答を取得してSPOへ反映するなどが基本的な実装だと思いますが、
同じ構成のFormsを都度複製して用意する場合にはそれぞれ対応するフローを用意しなければなりません。
上記を簡略化するため回答ファイルの更新時トリガーで反映する仕組みを実装するケースがあったかと思います。が今後は都度Formsに対応するフローを用意する必要がありますね。
BIで同期ファイルを参照している場合もそのままでは最新が取れないのでFormsトリガーで別途ファイルを作成し参照するなどの方針になるのかなと(このケースも結構残念ですね。。)
疑似的に手動でファイルを開く方法について
クラウドフローや関連機能でファイルを自動で開く方法がないかを探りましたが、現状これといった方法は見つけれていません。
クラウドフローでファイルや表を取得などでは開く挙動とはならないですし、OfficeScriptでもファイルを開く関数はサポートされていないようでした。
デスクトップフローを利用すればファイルを開くことは出来ますが、クラウドフロー連携かつオンライン対応で有償ライセンスは必要な認識ですしあまりよい方法とも思えません。
素直にファイル参照する方法からFormsトリガーへ変更するほうが良さそうな印象でした。
同期ファイルの構成が一部異なる(テーブル名、項目)
上記以外にも作成される同期ファイルのテーブル名が異なります。
「Table1」から「OfficeForms.Table」と変更されています。
また、システムで用意されていた「最終変更時刻」という列が無くなっていました。
基本的にはファイルの自動更新は(開かないと)されないため、Forms回答時のトリガーに作り替える方針かと思うのであまり影響はないかもしれませんが、既存のファイルのテーブルを参照するフローで新しいFormsの回答ファイルをそのまま参照するとテーブル名相違でエラーになりますのでご留意ください。
従来版
新Forms版
クイズの対応が厳しくなった。。
通常のフォームの回答であれば回答取得アクションで取れますが、クイズの場合のスコアは回答には含まれません。
そのため、フロー内で再計算するロジックを作成する(二重管理になるから極力避けたい)や、裏テクとして有名なSPOコネクタを使用してForms APIを呼び出して回答ファイルを生成、そこからスコアを取得する。という方法が取られてたりしました。
How to Get Forms Responses using Power Automate | Download Excel, Filter, PDF of Quiz Results – YouTube
ただ、このSPOのHTTP要求コネクタを使用したForms APIの利用が制限されたようで(今年の9月中旬以降位から)APIを使ったクイズのスコア取得が通常ライセンスでは困難になりました。
その代替え案としてオンライン同期されるようになったクイズの回答ファイルを使用したいと思っていましたが、開かないと同期されない仕様と変更されそれも使えない状況となっています。
クイズのスコア取得については、現状はフロー内で再計算 OR 有償コネクタでForms APIを利用する。という対応となるかと思います。
この点については以下の関連記事をご参考ください。
おわりに
今回は新しくなったFormsの同期ファイルの仕組みについての概要、留意点などについて記事にしました。
Formsの新しいUIや事前定義URLなどうれしいアップデートがある反面、同期ファイルが自動で同期されない点は結構インパクトがあります。
以前の同期ファイルの更新については期限が10/20→来年の1/13まで伸びていたので猶予は出来ましたが、今から作成する同期ファイルは新しい仕様になっているのでご留意ください。より詳しい詳細については公式のブログなどをご参考ください。
関連してクイズのForms API SPOコネクタでは取得不可となった点についても記事にしています。あわせてご参考ください。それでは。
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